中央銀行

30 July, 2026

本四半期、中央銀行による金購入は増加しましたが、第1四半期の減速が上半期全体のペースを押し下げました。

  • 本四半期の純購入量は289トンと堅調でしたが、上半期需要は2022年以来の低水準となりました。
  • 公表されたデータによると、積み増しが最も多かったのはポーランドで、中国も積み増しペースを加速させました。
  • 中央銀行は今後12ヵ月間、購入を継続する意向です。
トン 2025年
第2四半期
2026年
第2四半期
前年同期比
変化率(%)
中央銀行
およびその他機関
177.9 288.9 62
 

図8:第1四半期の停滞の後、急回復した中央銀行の金購入

四半期別中央銀行の買い越し(トン)*

Chart 8: Central bank buying rebounded sharply in Q2 following a Q1 lull

Chart 8: Central bank buying rebounded sharply in Q2 following a Q1 lull
Quarterly central bank net purchases, tonnes*
Sources: Metals Focus, Refinitiv GFMS, World Gold Council; Disclaimer *Data to 30 June 2026.

*データは2026年6月30日現在。
出所:メタルズ・フォーカス、リフィニティブGFMS、ワールド ゴールド カウンシル

本四半期、中央銀行の金に対する純需要は大幅に増加し、289トン1に達しました。これは第1四半期の修正推計値である57トンの5倍であり、第2四半期としては過去最高となりました2。本四半期の合計がプラスになったのは、ポーランドと中国による継続的な蓄積と、その他常連の機関による購入の増加によって支えられた結果です。

売却は第1四半期と比較すると緩やかになりました。トルコの売却が大きく縮小し、ロシアが本四半期の最大の売却国となりました。

より広範な地政学的背景や金価格の低下が、本第2四半期の買い越し拡大にある程度関わったことが考えられます。高い不確実性が持続していることや準備資産の多様化に対する長年の意欲が、中央銀行の需要を支える一助となった可能性があります。

中央銀行の上半期の正味需要は345トンで、2022年(241トン)以来、上半期としては最少となりました。公表されている動きを詳細に見ると、中央銀行の需要が基本的には堅調で広範囲に及んでいる一方で、トルコ、ロシア、アゼルバイジャン[.    アゼルバイジャンの場合は、アゼルバイジャン国家石油基金(SOFAZ)の金準備高を意味する。]による第1四半期の大量売却が年初来の合計を押し下げていることが分かります。

 

図9:報告データによれば年初来で最も金を多く購入したのはポーランド 

中央銀行が報告した年初来の買い越しおよび売り越し量(トン)*

Chart 9: Reported data puts Poland in pole position y-t-d

Chart 9: Reported data puts Poland in pole position y-t-d
Y-t-d reported central bank net purchases and sales, tonnes*
Sources: IMF, respective central banks, World Gold Council; Disclaimer *Data to 30 June 2026 where available. Note: The Bulgarian National Bank's transfer of 2t to the European Central Bank as part of its adoption of the euro is excluded from the chart.

*データは2026年6月30日現在(入手可能な場合)。注:ブルガリア国立銀行がユーロ導入の一環として欧州中央銀行へ移管した2トンは、この図から除外してある。
出所:IMF、各国中央銀行、ワールド ゴールド カウンシル

第2四半期に報告された金購入は複数の国・地域に分散していました。

  • 本四半期最大の買い手はポーランド国立銀行であり、51トンを買い増しして、6月末時点の金準備高は632トンに達しました。そのため、ポーランドの上半期の購入量は82トンに増加し、今年に入ってからの最大の買い手というポジションを維持するとともに、700トンという目標3に近づきつつあります。
  • 本四半期、中国人民銀行は新たに33トンを購入し、2023年第4四半期(44トン)以来、四半期として最大の増加を記録しました。上半期に40トンの増加があったことで、公表ベースの中国人民銀行の金準備残高は2,346トンになりました。中国の月間購入量は、かつて積み増しを積極的に推し進めた時期と比較すると大きくはないものの、継続的な購入は同国の金保有政策が戦略的性格を持つことを示しています。
  • 買い入れは金準備高で上位を占める国々以外でも行われています。ウズベキスタン中央銀行(16トン増)、カザフスタン国立銀行(15トン増)、ヨルダン中央銀行(6トン増)、チェコ国立銀行(6トン増)も本四半期における注目すべき買い手でした。一方、ガーナ銀行や、シンガポール金融管理局、アラブ首長国連邦中央銀行、キルギス共和国国立銀行も小幅な購入を報告しており、中央銀行による購入が広範囲に広がっていることを示しています。
  • 本四半期は売却は大幅に減少しました。第1四半期に最大の売り手であったトルコ中央銀行は、本四半期の売却は4トンにとどまり、未決済のスワップ取引残高を最大の80トン超から6月末時点で約60トンにまで削減しました。第2四半期に最大の売り手となったのはロシア中央銀行で、保有量が22トン減少しました。ドイツが発表した1トンのマイナスは量としてわずかなものであり、例年みられる硬貨鋳造に関連する取引の範囲内と考えられます。

なお、未公表の買い入れ(中央銀行やその他の公的機関による未報告の需要)は、本四半期も引き続き高水準にあり、依然市場の注目すべき特徴となっています。

上半期の動きから読み取れる広範なメッセージは、中央銀行による金需要は継続しているものの、ばらつきがあるということです。注目すべきは、金に対する中央銀行の買い意欲が依然として非常に強い点です。これは、ワールド ゴールド カウンシルが行った最新の中央銀行の金準備に関する調査の結果からも明らかです。この調査では、回答者の89%が今後1年間に世界の中央銀行の金準備は増加すると予想し、過去最高の45%が同期間中に自行の金準備を増やすと回答しました。中央銀行の需要は長期平均を維持すると予想しています(詳細は今後の見通しセクションをご覧ください)。

上記の調査では、金に対する戦略的な根拠が依然として確固としたものであることも明らかになりました。準備資産の分散、地政学的不確実性および金融市場の不確実性に対する備え、さらには長期的な価値の保存手段という金の役割は、各国中央銀行の考え方において引き続き重要な位置を占めています。準備資産の管理者は、金価格の高騰や各国に固有の流動性ニーズが、個々の取引のタイミングや規模に影響を与えるものの、引き続き金を公的準備の重要な構成要素であると見ています。

脚注

  1. このセクションでは、「中央銀行」という用語を、中央銀行およびその他の公的機関の略称として使用する。公表されたデータは2026年7月24日までのものであり、その後にデータの公表があった場合は、改めて修正することが必要になる可能性がある。

  2. 新たなデータと分析により、第1四半期の中央銀行の需要推定値が244トンから57トンへと大幅に修正された。詳しくは、右記を参照:ゴールド・デマンド・トレンド:2026年第1四半期

  3. アゼルバイジャンの場合は、アゼルバイジャン国家石油基金(SOFAZ)の金準備高を意味する。

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