2015年第4四半期の金需要は4%(47トン)増加し、1,117.7トンでした。中央銀行による購入の増加分(33トン)が全体の増加の大半に寄与しました。宝飾品とテクノロジーの需要はやや弱く、それぞれ6トンずつ減少しました。鉱山生産量は16トン減と、2008年以降で初めて前年同期を下回りました。リサイクルは引き続き縮小しました。

2015年の需要は、激動の上期を経て、下期は強さを回復しました。年間の金需要は4,212.2トンとわずかに(14トン)減少し、2010年と同等の水準となりました。上半期の需要は弱かったものの、各国中央銀行による購入が続いたこと、および中国とインドで下半期が好調だったことにより、2015年下半期に需要は回復しました。この傾向は特に小売投資分野において顕著でした。経済の軟調化、金融の混乱、および地政学的緊張を背景に、中国、欧州および米国の投資家が価格の下落を機会と捉え、金購入を加速させました。2015年通期の投資需要は前年度の815トンから8%増の878トンに達しました。第3四半期の価格下落に好影響を受けた金地金・コインは、通年ベースでは安定した需要傾向を見せた。2015年通期の宝飾品需要全体は、前年度の2,481トンから3%減の2,415トンでした。上半期は低調だったものの、第3四半期と第4四半期を合わせた下半期の宝飾品需要は11年振りの高水準に達しました。2015年通期の各国中央銀行による需要は、原油価格の急落とグローバル経済への信頼感低下によって通貨分散のニーズがさらに高まったことを反映し、前年度の584トンから588トンにやや増加しました。2015通年の総供給は前年度の4,414トンから4%低下して4,258トンでした。これはリサイクルが数年ぶりの低水準となり、また鉱山生産量が2008年以来の水準に低下したことによります。