過去約11年間円ベースでの金価格は4倍となり他の伝統的資産と比較して圧倒的に有意なパフォーマンスを実現している。金のボラティリティは、円ベースでもドルベースでもほぼ同水準であり日本株程度である。金は日本債券とは相関がなく、株式との相関もかなり弱い。企業年金を例にとりシミュレーションを行った結果、伝統的資産に変えて金を3%あるいは5%組み入れることで、リスク・リターンが改善されることが確認できた。

日本の機関投資家が金の役割を評価し、金投資をひとつの資産クラスとして考えて投資をするための基本的情報を提供する。円ベースでの金価格、リスクおよびリターンの特性、株式や債券等の主要な資産クラスと対比した分析を行っている。また、ポートフォリオに金を組み込んだ場合の効果、ポートフォリオにおける金の役割について考察する。