2015年第2四半期は金にとって試練の四半期となりました。金需要は914.9トンと12%減少し、6年ぶりの低水準になりました。強さが見られた部分もいくつかあったものの、すべての分野で需要が減少しました。供給は前年同期比で5%減少しました。

消費者センチメントの悪化を受けて、宝飾品需要に下向き圧力がかかりました。また、投資需要は方向性に欠ける金相場や株式市場の上昇の犠牲になりました。3~6月は期間のほとんどで金相場の方向性が不明瞭でした。このことは需要減少の原因でもあり、結果でもあります。金相場の動きが読めないため、多くの国の消費者が、さらに安く購入できる機会を期待して金購入を控えました。トンベースでは宝飾品の需要の落ち込みが最も大きく、第2四半期の需要は前年同期比で81.1トン減でした。これは主に、インドと中国という主要市場で需要が低迷したことが原因です。インドでは、第1四半期に農作物が季節外れの降雨に遭い、その結果として大きな影響力を持つ農村部の人々の収入が打撃を受けたことが原因と言えます。さらに、例年と比べて6~7月の吉日が少なかったことが婚礼関連の需要に影響しました。中国では、景気の減速傾向が継続したことや、国内の株式市場が乱高下したことを受けて、消費者心理は冷え込み、宝飾品需要にその顕著な影響が見られました。 一方、ギリシャ危機やユーロ圏の不安定化の脅威を背景に、ユーロ圏の金地金・金貨や金ETFの需要が増加しました。