2017年第1四半期の世界の金需要は前年同期から18%減の1,034トンでした。上場投資信 託(ETF)への流入は109トンで、堅調ではあったものの過去最高だった前年同期に比較す ると低い水準に留まりました。各国中央銀行からの需要が低迷したことも需要減の一因 となりました。ただし金地金とコインへの投資は前年同期比9%増の290トンと好調で、 宝飾品とテクノロジーの両セクターにおける需要はやや増加した。

金ETFへの流入は主に政治的不安定さが継続している欧州に集中しました。この流入は 前年同期の驚くべき水準の3分の1に過ぎませんでしたが需要は堅調でした。金地金とコ インへの投資増は、中国の投資家が中心的な役割を果たし、需要にとって季節的に重要 な意味を持つ旧正月に先立ち価格上昇をもたらしたモメンタムに牽引された形で貢献し ました。宝飾品需要は前年同期をわずかに上回った481トンでした。このわずかな増加 の主な要因はインドでした。総供給は前年同期比12%減の1,032トンでした。これは主 にリサイクルが21%減の283トンとなったこと、および生産者によるヘッジ解除がさら に15トン行われたことによるものでした。