第1四半期は総じて落ち着いており、世界の金需要は1%減少して1,079.3トンとなりました。宝飾品需要では、インドや米国の需要拡大が全体の小幅減少を食い止められませんでした。小幅ではあるもののETFへの資金流入は2012年以降初めてであり、投資需要を押し上げました。

需要は地域や分野によって状況は異なるものの、全体レベルでは、こうした差異が概ね互いに相殺されました。 一部地域の力強い宝飾品需要は、他の地域の低迷によって相殺されました。インドや米国、東南アジアの小規模市場の需要拡大は、中国やトルコ、ロシア、中東の低迷で帳消しとなりました。その結果、宝飾品需要は前年同期比で3%減少しました。 同様の分散化は、投資需要の各分野でも見られました。欧米投資家の金に対する心理が好転し、弱気心理が薄らいだためにETFへの資金流入はプラスとなりました。一方、金地金・金貨への投資は複数の市場で圧力にさらされました。インドと中国で株式市場が上昇した結果、金から関心が離れたほか、トルコと日本で利益確定売りが広がりました。その結果、総投資需要は2014年第1四半期から4%拡大しました。中央銀行およびその他の公的機関の購入が安定して推移し、前年同期とほぼ同水準となりました。一方、総供給は前年同期からほぼ横ばいの1,089トンとなった。